2004年度 地域コミュニティーでボランティア |
今日は休日を返上して、朝から夕方まで大日市場で過ごしました。場所は、学校近くの大日市場の中の公園。市場の中に公園があるのは違和感があるかもしれないけど、そこは震災で店舗が崩壊した跡地でした。そこで、兵庫県の物産展が開かれる。「老人ホームで市場を開こう」のメンバー達がこの催しを聞いて、突如参加してアシストすることになりました。 テントが4つ。ある子は大河内町の甘酒を、やってくる人達にコップに入れて振る舞いました。ある子は加美町の穴子の煮付けにつまようじをさして売ったんだけど、つまようじのさし方がとてもうまいと、ほめてもらいました。ある子は淡路のあじ(干し魚)を売りました。そのうち、売るだけでなく、テントの中に入っていって、ビニール手袋をして魚をつかんで、火の上に置いたり、さらには、焼き出す子も出てきました。町の人達は、松蔭の生徒達にただただ驚きと賞賛の声を上げていました。 松蔭の制服が、その広場に、この地域に溶け込んでまぶしかったです。売ることを忘れて、町の人と輪になって話し込む子もいました。小さな子供が、年老いた老人の方が、喜んで、私達の差し出す食べ物を口にしてくれました。 |
やがて、お昼。すると、商店街の方が全員分のお弁当を空き店舗のスペースに机を出して用意してくれていました。なんと、そのお弁当は、チャレプロの「老人ホームで市場を開こう」ですぐに仲良しになった総菜屋のおじさんが手作りで入れてくれた手作り弁当!これがめちゃめちゃおいしかった!昼食の間じゅう、私たち、大声で笑ったりしていたものだから、道行く町の人がのぞき込んで、話かけていってくれました。公園に戻る途中、総菜屋のおじさんともまた談笑。 昼食の後は、○×クイズタイムがありました。○か×か、その答の一言一言に我を忘れて飛び上がる姿に、ベンチに疲れて座っていた町の人達さえ、手を打って一緒に喜んでくれました。 やがて、コーラス部のMさんが、急遽「荒城の月」を独唱し、大喝采! 司会の方の質問で、Mさんが2ヶ月後、ウイーンに留学することを知って、再び励ましの声。Mさんの次は、まるでアンコールに応えるように、参加生徒全員できろろの「ベストフレンド」を歌いました。ある子が泣き出す一幕も。 |
ある店舗のおじさんの話では、大日市場は震災でまともに被害を被ったといいます。そこから立ち直ろうとしている。でも、立ち直ったと言い切れないのは、そこら中に点在する空き地を見れば分かりました。立て直せない人達はみな店をたたんだそうです。 それでも、この大日市場6丁目は活気がありました。空き地にも、今日のように物産展があったり、17万羽の千羽鶴が立てかけてあったり、そして、Flagがかけてあったり、みんな必死なんだ。 特に、ショーケースに入れられた約17万羽(震災時のボランティアの人数分)の鶴と、色とりどりで垂らして、神戸の絵模様を描いた約6600羽(震災犠牲者)の千羽鶴。思わず、胸が詰まりました。 それと、Flag……「夢」「味」「旬」……でも、今日は「愛」というFLAGに惹きつけられて、見上げてしまいました。 大きな百貨店の物産展とは比べものにならないかも知れないけど、その小さな公園には、地域の人々の温かいハートが、その楽しそうな声で満ちていました。そう言う近くて遠かった地域の方と心を一つにして過ごせたあったかい1日でした。 |