特別プログラム
2005年度 「生き方上手」の名医・日野原重明先生を訪ねるいのちの旅



このプログラムは観光旅行ではなく、いのちについてじっくり考えるプロジェクトです。従って、事前学習に時間をかけました。
↓事前学習についてはコチラをご覧下さい

事前学習
私はこのツアーに参加することで、松蔭高校を卒業した後のこれからの人生に大きな影響を受けました。一日という本当に短い時間で、日本を代表する医師・日野原重明先生と、救急救いのち士を誕生させたフジテレビキャスター黒岩祐治様というこのような素晴らしいお二方に会えて、私は今でも夢のような気持ちでいっぱいです。

到着した時にまず感じたのは、聖路加国際病院の大きさ。94歳でこんな大きな病院の理事長をされているプレッシャーや、患者・医師・看護師からの信頼は計り知れないものがあるだろうと思いました。そんな先生が私たちの前に現れた時には本当に感動で胸がいっぱいになりました。

先生はトイスラーハウスという特別な建物の中で、非常に多忙な中を私たちのためにたくさんのことを話して下さいました。お陰で、私たちは皆、様々なことを学ぶことが出来ました。


常に学ぶ、常に努力する、常にチャレンジする
私は日野原先生という方はもともと天才で、そういう星の下に生まれたんだって思っていました。でも、それは間違いだったと気付きました。
日野原先生は今でも本をお書きになられたり、詩まで書き始められたことを知りました。
先生は常に学ぶ、常に努力する、常に挑戦するということを心がけておられました。そんなこと簡単って思うかもしれません。でも、実際はそういう風に常に自分を高め、何かを得ようという心がけは人間にとってとても難しいことじゃないでしょうか。現に、私も大学も決まり、ともすればそういう心がけを忘れていたように思いました。そして、今の自分に満足しているようでは、成長が止まってしまう、自分はまだまだ小さいと気付きました。

自分が努力していることは、すべては未来への準備
日野原先生が詩を書くことに挑戦し始めた話をされた時に、先生はこうおっしゃられました。
「文章を書くというのは昔していたことなんだけど、昔していたことが今になって生きている。」
私はよく、今こんなことをしていて意味があるのだろうかと思ってしまうことがありました。でも、これも大きな間違いだと気付きました。今すぐに意味を見いだせなくても、目的が定まっていなくても、何事もいつ役に立つか分からない。今自分が努力していることは、すべては未来への準備でもあるのだと気付きました。
詩だけでなく、日野原先生はいつか必要になるかもしれないということを頭に入れて行動されている方でした。たとえば、緊急時のことを考えて病院を大改築しておいたおかげで、地下鉄サリン事件で640人の被害者が運ばれた時に一人の死者以外全員助かったそうです。

自分は自分の力で作り上げていくもの
先生は「中学・高校に戻って何でも挑戦したい」とおっしゃっていました。私はいつも失敗を恐れて、なかなか新しいことに踏み出せませんでしたが、この言葉で改めて気付きました。人は常に新たに何かを体験して、それが積もって山となって日野原先生のような大きな方になれるんだって。
日野原先生は、人間は遺伝子が半分だが、残りの半分は自分で作るんだっておっしゃいました。私はいつも、うまく行かない時に限って遺伝子のせいにした時がありました。でもこれは間違いでした。これは自分をダメにして、成長を妨げる。自分というものは自分の手で、自分の力で作り上げていくものなんだとこの時強く感じました。

これからの人生を考えた一時間
先生は最後に人生のモデルを持ちなさいと言ってくださいました。
日野原先生とお話しして頂いた時間は私にとって、人生の中で一生忘れられないかけがえのない時間となりました。私はこれから、日々自分を磨くために努力を忘れず、また、自分がこれからどういう人間になりたいかというモデルを探していきたいです。それには1分1秒も無駄にせず、自分を成長させるために精一杯生きていきたいと思います。
日野原先生ありがとうございました!(以上、大丸恵)

職業が何であれ、いのちを大切に
日野原先生、先日はお忙しい中時間を割いてお話いただいてありがとうございました。
いきなり先生が「何か質問あるかな?」と笑顔で話しかけて下さった時、私はもう驚きと緊張で頭が真っ白になってしまいました。 でも、緊張しながらも、質問をいくつか考えてきていたのでその中でも1番聞きたかった質問をさせていただきました。「私は将来カウンセラーのような職業に就きたいと思っているのですが、もし死を直前にした患者さんと接するときに気をつけることはなんでしょうか」
すると、日野原先生は私の目をしっかりと見て「職業がなんであれ、いのちを大切に。」とお話してくださいました。 この言葉がとても胸に残りました。他にも、
「若いときは感受性が豊か、知性じゃなくて感性を育てよう」
「若いときは失敗が当たり前なんだよ、でも長生きしてたらね、その取り返しができるんだよ」
「自分が目標とするモデルを見つけよう」
「やりたいことは途中で変わることもある。それでも、普段から人間としての生き方を考えていると、上手に対応できる。」
これらの言葉を聞いたときに、私は「あ、私は今まで狭い人生の世界しか見えてなかったんだ。こんなにも広くて大きい世界があったのに。」とガラッと人生の見る目が変わりました。
もし、日野原先生に今日お会いしていなかったらこの見方には気づかなかったと思います。本当に人生において大切なことを学べました。 これからの未来の自分の姿がしっかりと見えてきた気がします。
そして、私も日野原先生のような人生を歩んで生き、長生きして、そして沢山のことを学んで若いときの失敗を取り返し、若い人たちに日野原先生のようないのち・人生・生き方に対する素敵なお話をできるような人生にしたいです。(仲野さや)


夢へのヒントを頂きました
日野原先生は「いろんなことを経験した上で一つのことを追求する生き方をする」というお話をされていて私はすごく驚きました。社会に近づくにつれて個人の役割が決められていくと思います。私が入っていたクラブは全員で一つのことをやり遂げていくというのが特徴です。ある一つのことを一人が専門的にやるより全員が一つのことを経験することによって色々なことを学べるからです。私はこのやり方のおかげでたくさんのことを勉強できたし自分の意外な一面も見れました。でも反対にたくさん好きな分野がありすぎて自分が本当にやりたいことが一つに絞れないという悩みがありました。それが良くないことなのかなぁと思う時もありました。しかし今回日野原さんのお話を聞いて安心しました。私が悩んでいたことは間違っていなかったって。これから始まる新しい環境の中でゆっくり幅広く考えて自分の夢を見つけていこうと思えるようになりました。(岡田梨沙)