日野原重明先生への手紙
※プログラム終了後、生徒たちが日野原重明先生へ出した手紙です。

2月13日は私の一生の思い出になりました。
トイスラーハウスに入るとあの笑顔で迎えて下さいましたね。去年の講演で見たときよりも日野席先生がとても身近に感じました。なぜか緊張感は全くなく、逆になにか安心感のようなものがありました。
 
私が今年浪人するということを言った時、先生は「そんなの全然たいしたことないよ、遅れたと思わなくていい、人生はこんなに長いんだから。」とやさしく、でも力強くおっしゃいました。
誰に言われるよりも胸に響いたその言葉を、私は一生忘れることができません。
私たちは、先生に会う前に何度も何度も勉強会を持ちました。初めての集まりの場で、私は友達が自分の考えをしっかり持っていることに衝撃を受けました。そして自分の考えを伝えるということがどれほど難しいかを痛感しました。これではいけないと思い、受験が終わってから先生の著書をじっくりと読み直しました。
「人は自分自身の快楽のためだけに生きる限り、命の深さは実感できない」
確かに、好きな物を買い、好きな服を買い、好きなものを食べて満足しても、生きることの重みを感じたことはないなと思いました。それよりも大事なこと、家族や友達が笑っていたらこっちもうれしくなるとか、もっと押し広げて、世界に生きている全ての人が一瞬でもいいから同じ瞬間に幸せだと感じられたらとか、そういう事を願うことによって生きていることを実感できるのではないでしょうか。
『ゆるすという、最も人間らしく、最も難しく、そして最も勇気ある行動を選び取る力をどうか私たちに与えて下さい』‥‥続・生き方上手より
私の人生の目標となった言葉です。憎み合いを続けていても、自分の価値を下げることしかできない。許すことでそこからまた一歩を潜み出せるんだと気付かされました。
 先生に会う日が近付くにつれて、勉強会のたびに、自分も周りの友達もすごく成長していっていくのが分かりました。考え方が前の自分と違っていくことが目に見えて分かりました。それも先生の本から知識を吸収していったからだと思います。
人の命は尊く、それは誰にも侵されてはいけない。その命を預かる医師はお金や名誉などではなく、第一に患者さんのことを考えなければならない。
このプログラムに参加する前の、医師になることへの私の曖昧な気持ちとは違い、勉強会を持つ度にこう考えられるようになりました。そして今は、患者さんを勇気付けて、たくさんの患者さんの笑顔を見ることが私の将来の目標になりました。
日野席先生はあの日、「心にモデルを持て」とおっしゃいましたが,そのとき私の頭に浮かんだのは日野原先生でした。先生の著書のどの部分を読んでも、先生のような生き方をしたいと思ってしまいます。その中でも私が好きな本は『続・生き方上手』です。この本は私の人生のバイブルとなりました。
これから生きていく上でいろいろなことが待ち受けています。でも、楽しいときこそ生きることの意味を考え直し、つらいときこそ生きる希望を持つことが大切ということに気付きました。いつもこの本を読み返して勇気をもらおうと思っています。
今回、私が奇跡的にも日野原先生にお会いすることができたのは、谷口先生のおじいさまが日野原先生の小学校での恩師だったこと、そして私と谷口先生の出会いが重なったからで、縁というものをはじめて身近に感じました。私と日野原先生も出会うべくして出会えたと信じています。私はこのプログラムに参加して、生き方そのものが確実に変わりました。
先生にまだまだ話したいこと、聞きたいことがありますが、今回はこの辺で失礼します。これからも感謝の気持ちを忘れずに生きていきたいと思います。私が伝えたい今の気持ちを読んで下さってありがとうございました。
黒田 絢子

こんにちは。先日はお世話になりました。貴重なお時間を割いて頂いてありがとうございました。
同じ時を先生と共に過ごしたあの時間、私はきっと一生忘れません。
トイスラーハウスに足を踏み入れ、先生にお会いした時、ずっと会いたかった人を前にして、鳥肌が立ちました。先生の笑顔を前にした瞬間は、涙がこぼれそうになりました。 先生の持つ暖かくも、どこか厳しいオーラにじかに触れることが出来たような気がして、とても感動的でした。先生の口からこぼれる言葉の一つ一つが、本で読んだ時感じた時とはまた違う重みを感じ、私にとっての糧となったような気がします。
 「失敗すると成長する、失敗してもやり直せる、勇気を持ってやってみよう」
この言葉が、今ここにいる私を支えてくれています。絵本作家になりたい!そう思いながらも、先の見えないことの不安などによって失敗を恐れていた私にとって、先生のその言葉は、私をとても前向きな気持ちにさせてくれました。怖がらずに何でもやってみようと思うと、やってみたいと思うことが周りにいっぱい見えてきました。今まで見過ごしていたような些細な事にも興味を抱くようになりました。若い私には知らない世界が多く、少しでもたくさんのことを知りたい、時間がもっと欲しいと思います。今は一分でも一秒でもおしく感じます。夢はいつも心にとめてあります。けれども、焦って夢に近づこうとしなくてもいい、ゆっくり近づいていこう、まだまだ先は長いと、心のゆとりも持てるようになりました。
「大きな事をしようと思わなくていい、小さな事でもやってみる」
先生のこの言葉も重なって、思っているだけでなく行動に移すようにしようと積極的になった私がいます。ニュースや新聞を日頃、見たり手にとったりすることが少なかったので、まずは自分の知らない世界を知ろうと図書館を利用したり、ほんの5分の間でも新聞を開いて見たりするようになった事もその一つです。
 今は日に日に成長しているというか、自分自身が変わっていっているように感じます。そのことがとても嬉しいです。充実しているせいか毎日がとても早いです。
「いきいきと生きる」
この言葉の意味が今の私には少し分かったような気がします。
東京から戻ったあの日、祖父にその日東京に行って来て、先生にお会いした事、自分が感じた事を思い切って話しました。そして、先生の続生き方上手の本を、祖父に渡しました。その行動全てが今の私が祖父のために出来る精一杯のことだ。そう思ったからです。そう思えるようになったことも行動できるようになったことも、「小さなことでもまずやってみよう」という先生の言葉があったからです。今祖父は本を読んでいます。「感動する。がんばって生きないとなぁ」と声をかけてくれた時は本当に嬉しかったです。今は少しずつではあるけれども、元気を取り戻して、いきいきと生活していく祖父を見るのがとても楽しみです。
また先生に会いに行こうというこのプログラムがきっかけで出会った友達がいます。 自分の将来のこと、夢のこと、今の自分自身のこと。話せるようで恥ずかしかったりで、中々こんな話を真剣に話し合える友達なんていませんでした。でも、今回のプログラムで、事前学習や共に先生の言葉を聞いて感動して、そういう話が出来る友が生まれました。帰りの新幹線ではみんな睡眠不足のはずなのに目がさめていました。
この出会いを通して人との出会いの素晴らしさを感じ、また今まで以上に大切に感じるようになった私がいます。友達の存在が自分の中で大きくなり、負けてられないと励みになって、また尊敬することも多いので、そのことも刺激となって私とつながっています。
何気なく過ごしていた毎日だったけれど、先生との出会いをきっかけに何かが始まろうとしています。まだ漠然としている中にいますが、それでも一日の中で新しい自分を発見できることがとても楽しいです。
お忙しい中、本当にありがとうございました。先生にお会いしたということが今だに信じることが出来ていないのですが、お会いする事が出来て幸せでした。まるで一生分の出会い運を使い果たしてしまったような感じです。
次お会いする時には、一まわりも二まわりも成長した私になっていたいです。いくつになられても大きな目標を持って、頑張っておられる先生は私のあこがれです。先生もさらにいきいきと、人生を楽しんで過ごしてください。
またお会いできることを、とても楽しみにしています。体にお気を付けてお過ごしください。それでは、また。読んで下さってありがとうございました。
涌田 ゆみこ

お会いできてとてもうれしかったです。握手もしていただいて感激でした。先生の手は温かくて、この手で大勢の患者を癒してこられたんだと思うと、先生の手からパワーをいただいたような感じがしました。お話の中で一番心に残っているのは「勇気を持つことの大切さ」です。私は挑戦することに臆病になったり、失敗を恐れてチャンスを逃がしたりすることがあります。先生の「勇気をもって行動した結果は、それがたとえ失敗に終わっても、行動もせずにただ恐れているだけの自分と比べれば大きな前進です。そこには爽快感があるはずです。」という言葉にとても励まされました。失敗して恥ずかしい思いをするのではないか、という思いにとらわれすぎていた自分に気づかされました。これから何か始めようという時には、勇気を出して精一杯やってみようと思います。その結果がどうであれ、やったぞという気持ちに勝るものはないのだ、ということを忘れないようにしたいです。
 『生きかた上手』や『続生きかた上手』を読んで人生について考える機会を得ることができて本当に良かったと思います。生きかた上手になるのは私には難しいかもしれませんが、輝いて生きられるように努力し続けるつもりです。本当にありがとうございました。
牛越 真理

先日はお忙しい中私たちと対談をしてくださりありがとうございました。実際に先生とお会いしてびっくりしたことは先生の内からみなぎる輝きでした。その輝きというのはきっと先生の勇気、意欲や優しさなど言い尽くせないものが合体しているものだと私には感じられました。
私自身、先生にお聞きしたいことはたくさんあったのですが、あまりにも緊張してしまいました。しかしお友達が先生に進路のことを相談した時に先生がおっしゃったことに私はとても感動しました。
「長い人生の中で一年や二年出遅れるなんて思わなくていいのだよ。自分がしたいことをするのがよい。そうすればきっと自分の身にしっかりつくから。」
この言葉は先生がおっしゃるからこそ重みがあり、私たちの心にじーんとひびくものでありました。私はアメリカへ一年間留学してました。帰国後、環境や自分の変化というものを痛切に感じはじめ、その変化をすべて自分の出遅れや衰えとしてとらえがちでありました。しかし先生の言葉をきいて、あの一年は私にとってかけがえのないものであり、あの一年がなければ今の私は存在しないと胸を張っていえるようになりました。アメリカで出会ったたくさんの友達、ホストファミリーまた日本で私のことを支えてくれていた人たちへの感謝の気持ちを忘れかけていたのだと思います。恥ずかしいことですが今こうやって気付けてよかったと思います。あの一時間の対談で先生は私たちに大きな勇気と希望を与えてくださりました。そしてそれらは私たちの新しい道の消えることのないベースになっています。本当にありがとうございました。
藤井 由麻

お忙しい中、話を聞かせていただきありがとうございました。
先生の一言一言がずしりと心に響いている感覚がしました。私が、大学に入るためにもう一年勉強すると言った時に、「長い人生の間で一年遅れて大学に入ることは心配することではないよ」と力強くおっしやってくれた先生の言葉。その言葉に、私はすごく、すごく励まされました。
私は今、自分自身の生き方を作りあげていく途中にいると思います。その期間に、先生がジェットコースターに乗られたお話を聞いて、私も恐れずにたくさん挑戦したいと思いました。
何歳まで生きると考えていますかという先生の問いかけに直接こたえることはできなかったのですが、私の今の答えは「好きな人が死ぬまで生きたい。」です。先生の終末医療に関する本を読ませていただいて、自分の好きな人に、温かい死を迎えたいと思うようになりました。
そして、先生のお話は、経験の少ない私に、行動する大切さを教えてくださったと思います。本当にありがとうございました。
船橋 茉莉

先日はお忙しい中お時間を割いて頂き、本当にありがとうございました。
「生きる」と言うこと、そして「死ぬ」と言うこと。私は今回日野原先生にお会いできると言うことで、改めてその事について考えることができました。
私は今18歳。今まで「死」について真剣に悩んだことが何度かあります。しかし、「死」について考えたことは有っても、「生」について考えたことは余りありませんでした。私にとって「生」はあまりにも身近に有りすぎたため、改めて考えると言う事の必要性に気がついていなかったのです。しかし、「生き方上手」や「続生き方上手」等の日野原先生の著書を読み進めるうちに、私は初めて「生」について真剣に考えるようになりました。
「朝起きて、よし!今日は一日何をしようか!」そんな意欲に燃えて毎日を送ることができているのなら、例え医学上では病気であっても、それは「健康」であり、「生きている」のです。私はこの言葉に強い感銘を受けました。医学上の健康ばかりに気を取られ、私は何かとても大切な事を見失ってしまっていたのではないでしょうか。
「生きる」事が当たり前になりすぎて、いつの間にかすっかり意欲を失っていたのではないでしょうか。改めて「今、生きている」ということを考えました。
「どうせできない、そう決めつけてあきらめてめてしまうのは駄目なんです、若い間にはいっぱいの経験を積みなさい、1・2年位ロスしてしまっても、それは全然気にする事はない。」日野原先生がおっしゃってられたことなのですが、私は今まで失敗や、その失敗に対する周囲の人の反応を恐れ、「どうせ叶うはずがない」そう決めてつけてしまっていたことが、本当に多くありました。しかし、先生のお言葉を通して、失敗があるからこそ成功も生まれ、そして、今度は成功させよう!と言う意欲も生まれてくるのだ!ということを教わりました。
今回日野原先生にお会いしていただいたことに感謝し、これからの私、そして未来に、今回得た教訓を生かしていければと考えています。本当に、ありがとうございました。いつかまた、お会いできる日を楽しみにしています。
井上 実幸

先日はお忙しい中お会いできる時間を作ってくださってありがとうございました!身の引き締まる思いで先生の本を読ませて頂いたり参加メンバーで勉強会を行ったりしながらお会いできるのを楽しみにしていました。当日、ついに先生にお会いできた時はあまりに嬉しくて夢のような気持ちでした。トイスラーハウスの落ち着いた雰囲気の中でゆっくりお話を聞くことが出来、一生忘れられない時を過ごすことができました。
先生が話してくださったことの中でも特に印象に残っているのは「大きなことをしようと思ったらまず目の前にある小さなことから取り組んでいかなければならない」というお言葉です。夢を叶えるためにも、今自分ができることから始めていくことが大切なことなのだということを、これからずっと心にとめていきたいと思います。まずはこれからの大学生活を、夢に向かって一歩ずつでも進んでいけるように充実した日々にしようと思いました。

 聖路加病院を案内して頂いて驚いたのは、広さもそうですが、患者さんに対する配慮がものすごくたくさんなされていることでした。病院と聞くと一般的には冷たいイメージがありますが、聖路加病院はあちこちに絵画がかけてあったり植物が置いてあったりして心も和むし、照明も温かい色のものが多く使われていたり、壁の角を取ってあったり等、少し見渡すだけでも本当に色んな所に細やかな気遣いが感じられました。その他にも病室の窓の設置の仕方やイス付きエレベーター、庭園等、病院内を歩きながら始終感心してしまいました。日野原先生のご提案も多く取り入れられていると聞き、本当に患者さんの気持ちになって考えることができる先生だからこそ、これほど細かいところまで気づくことが出来るのだと感動しました。
 先生に実際にお会いして、又、聖路加病院を見学させて頂いて、健康のあり方や挑戦する勇気の大切さ、思いやりなど、とてもたくさんのことを学ぶことができました。この貴重な経験をこれからの人生に精一杯生かしていきたいと思います。素晴らしい時間を本当に本当にありがとうございました!!
川端 紗恵子

「生き方上手」の92歳現役医師日野原重明先生と
トップにもどる