2004年度 観光ボランティア

このプログラムは産経新聞に取り上げられました


くわしくはこちらをご覧下さい。


その時、私はガイドブックを片手にキョロキョロと不安顔の女性を見つけました。私は「こんにちは」「どちらに行かれますか」と声をかけてみました。しかし、無反応だったので彼女の持っていたガイドブックを覗くと、そこにはハングル文字で書かれていました。どうしよう、と迷いましたが思い切って英語で話しかけたら、にこっと私に笑いかけてくれました。彼女は異人館のある「北野に行きたい」と言うので私はシティループバスの停留所と三つ目でバスを降りることを伝え、最後に「いってらっしゃい」というと彼女が笑顔で「ありがとう」と言ってくれました。私は心の底から「やったー!」と嬉しさがこみあげると同時に、達成感も得ることができました。ボランティアをするということは、決して大げさなことではなく何かの役に立ちたいというちょっとした親切心があれば誰にでもできるものだと気づきました。(中島 愛海)

観光ボランティアとは、文字通り、神戸に来られた観光客の方々に、道案内や、観光地の説明をすること。大好きな我が町神戸のことを知ってほしい。それに、震災から10年、この町が再び元気を取り戻してほしい、そう言う願いで、このプログラムに参加しました。お世話をして頂いたのは、KOBE観光ボランティアガイドというNPO団体の方々。

まず、私たちは、4人ずつのグループに分かれ、「JR三宮駅北側」「市役所展望ロビー」「北野異人館」の3つの分担に分かれました。そして、12月にはNPO団体の方から、観光ボランティアのための冊子をいただき、案内する場所を覚えました。しっかり覚えておかないとと思いつつ、自分が住んでいる町のことをこんなにも知らなかったのかと驚きました。

2月には、NPOの方が学校まで来られて、ガイドの心得をいろいろ教えてくださいました。「教えるのではなく、相手の話を正確に聞き取って、明るくやさしくはっきりと」といったホスピタリティー(おもてなし)のノウハウを学んだあと、班ごとに別々の教室で、地図の説明や、NPOの方が観光客の役になって、模擬演習をしました。




そして、いよいよガイドをする日が来ました。寒波が襲ってきた日で、とても寒かったけど、朝、実際に駅前の地図案内の掲示板前に立って、黄色い腕章を着けると、頑張らなくっちゃあ、という気でいっぱいになり、寒さなんて感じなくなりました。

まずは、NPOの方が地図案内板の位置から、大きなバス停のある所まで私たちを連れて行きつつ、手の出し方や声の大きさ等を細かく教えてくださいました。言葉も大事だけど、まずは、動きが分かるように、手で大きく案内するのがいいとか。
再び、地図案内板の所に戻りました。三宮グループはここが出発点です。駅から出てきて、この案内板で地図を見ている観光客に声をかけていくわけです。

でも、NPOの方がもう一度だけ入念にアドバイスをしてくれている最中に、さっそく観光客から逆に声をかけられました。さあ、開始です。


最初はまばらだった観光客の方でしたが、すぐに、この案内板で地図を見る方や、地図を片手に戸惑っておられる方が、次から次に目につくようになりました。最初はちょっと戸惑っていた私たちだけど、笑顔で大きな声で、どんどん声をかけていこうと言うことを心がけていたら、すぐに慣れていきました。ペアの方、一人旅の方、年齢もお子さん連れから、高齢の方まで様々でした。中には北海道から来た方とかもいて、ガイドにも気合いが入ってきました。教えてもらったとおり、言葉だけでなく、腕を使って、動線を示したり、笑顔を絶やさずに、心を持って接すればたいていのことは何とかなるような気がしました。


また、イランや、韓国など、外国の方も多く、特異の(?)英語を使って身振り手振りも使って、時には地図に書きこみもしてあげて一生懸命案内しました。分かってくれた時はすごくうれしかったです。教室で習った英語が生かされた!テストで満点を取った時とはまた違う新鮮な喜びがありました。
気がつけば、駅のあちこちでひっきりなしに観光客の方にガイドをしている私たちがいました




ここでも、全国の各地から、年齢を問わずいろんな観光客の方がやってくるのに驚きました。小さなお子様の家族連れも多かったけど、小さい子供様が私たちの案内や説明を一生懸命静かに聞いてくれたことには感激でした!

まず、私たちはエレベーターホールで扉が開くのを待つところから始めました。
その後、大きな窓ガラス越しに、事前に覚えたことを、出来る限り丁寧に説明しました。24階の高さから、360度パノラマ模様の神戸の町を見ると、改めて美しい町だなぁと誇らしく感じました。次々と来られる観光客の方々を前に、それどころではなくなりました。

中には、中国、韓国、ベトナムなど、外国の方も多く、通訳の方を通して韓国からの観光客にガイドをしたり、日本語研修に来ていた様々な国の方と交流するなど、予想外の国際交流が出来て、本当に良い経験になりました。 
KOBE観光ガイドボランティアのHPは、
http://www.city.kobe.jp/cityoffice/17/010/etc/guide/guide.htmlです。

【NPO 団体の方からのメール】
きょうは、お疲れ様でした。
きょう20日の生徒さんのガイド実績として、おもてなしの人数をご報告いたします。

北野異人館街:74人 / JR三宮駅前:124人 / 市役所展望ロビー:42人

と予想を上回る結果となりました。

終了の時、生徒の感想を聞きましたが、「自分で分かっていても、ひとに教える難しさが分かりました。」「お客様から、ありがとうと言われてうれしかった。」「大きな声であいさつが出来るようになった気がする」などと、当初のねらいであった、「ホスピタリティー(親切なもてなし)の一端を理解出来たこと」「人に役立つことの喜びを体験できたこと」を習得された様子でした。このことは、私たちの活動の目的でもあり、それに、生徒さんたちがこれからまた観光ボランティアやおもてなしの活動をされるきっかけになったようで、お手伝いをさせて頂いて本当に良かったと思っています。

生徒アンケート
最初は、私たちが緊張しているせいもあってか、「こんにちは。道案内のボランティアをしています」と言っても断られる事がありました。しかし、何人もの人に声をかけていくうちに、私たちの声も自然と大きくなり、断る人も減っていきました。
日本語を話せない外国の方に私の英語力で案内する事は大変でした。わからない単語や、発音が通じない事もありました。しかし、私の説明で理解してくれたとき、とっても嬉しかったです。普段、外国の方と話す機会がないので、日本の観光客の方に接するより何倍も緊張したけど、どの人も一生懸命耳を傾けてくれました。
私がこのプログラムで一番嬉しかった瞬間は、私が案内しているときに、「こないだ案内してもらって、助かったわ!ありがとう!!頑張ってね」と一人のおじさんが言って来てくれたことです。私は嬉しくて私の前に手を出してきたそのおじさんと、握手をしました。
この日私は何人もの人を案内しました。案内する事は難しかったけれど、案内をした後に観光客の方からの「ありがとう。」といわれて、私はすごく喜びを感じました。人に求められてボランティアをすることのすばらしさを改めて感じました。(豊島 英利佳)
私は、自分の住んでいる町、神戸の事をもっと深く知りたいと思った事がきっかけで、観光ボランティアに参加しました。でも、このプログラムでは、観光ガイドをする際の「おもてなし」の心を知ることもできました。
観光客に物を教えるのではなく、おもてなしをする。相手の目の高さに合わせ、明るく、優しく、はっきりと話す。目標物を指差さないで手のひらで示す。笑顔で案内する。今から行く道で、目立つものをまず言う。そこまでの所要時間を言う。二人連れの場合、その真ん中に入らない。……等々。これらは、ものの見方を変えることの大切さも知り、本当に勉強になりました。(奧 由佳梨)
私が観光ボランティアを選んだのは、自分が知っているこの神戸の良い所を観光に来られた方に紹介したかったからです。しかし体験してみて、私は全く神戸を知らなかったことに気づきました。神戸税関や生田の森などこのプログラムで新たに沢山の神戸の良い所を学びました。みんなにも一度、自分の住んでいる町の事を学び、考える時を持ってほしいとまで思いました。
また「おもてなし」やボランティアをする時に、相手にドコまで踏み込んでいいのかなどの難しさを学ぶことが出来ました。(前口 徳子)
阪神大震災から10年。「がんばろう神戸」を合言葉に多くの人々に励まされ、助けられて復興を遂げた神戸。そこにすむ私達は全国から、そして外国からやってくる観光客の全ての人に感謝をこめて元気な神戸をゆっくり楽しんでもらいたいなぁと、今回のチャレンジプログラムに参加して強く思いました。(中島 愛海)
観光客の方とも触れ合える時間をもてたし、改めて神戸っていいなぁって思え、自分の知らなかった神戸にも出会えて、ボランティアの方も優しくて、最後は私たちに異人館を案内してくださったんです!とても素敵な時間を過ごせました(涌田 由美子)
産経新聞の記事見ました!人のお手伝いをするって、いいことですよね。松蔭生に観光案内をしてもらった方は、きっといい神戸での旅になっただろうなって思いました。(卒業生)