2005年度 チャレンジドとパソコンを学ぼう


今日、このプログラムに参加して私が感じたことは、自分の可能性を伸ばそうとしたり、能力を発揮して頑張ろうと、何かにチャレンジする姿勢は、障害者と呼ぶよりも、やはりチャレンジドという言葉の方がピッタリだなぁということです。そして、私自身も何かにチャレンジして頑張ろうとしているという点においては、同じチャレンジドではないかと思いました。
何か欠点があると、そこにばかり目をやり、出来ることや得意な事には目を向けない姿勢は、やはりよくないと思いました。誰にでも、得意なことや苦手なことは沢山あると思うし、だからこそ、お互いがお互いを支え合って生きていくことが大切だと思います。
そして、障害者は「助けてもらう立場」で、健常者は「助けてあげる立場」という考え方は、もう古いのではないかと思いました。もちろん、やさしさや思いやりの気持ちは大切だけれども、上から目線はよくないと思うし、対等の立場で考えることが大切だと思います。そして、チャレンジドの方が世の中にいて当たり前、挑戦したいことに対して、みんなが同等のチャンスを与えてもらえるような世の中に、日本も早く変わってほしいと思います。それと同時に、私自身に出来ることが何かないか、このプログラムに参加してみて、一度そんなことを考えてみようと思いました。(篠原 梨栄)

神戸の海と山が見渡せる、六甲アイランドの大きなビルの6階に、コンピュータを活用して、障害を持つ人(challenged: チャレンジド)の自立と社会参加、とりわけ就労の支援を目的に活動するプロップステーションという社会福祉法人がある。
キャッチフレーズは「チャレンジドを納税者に出来る日本」

このプログラムは、そのプロップステーションに行って、チャレンジドの方がコンピューターを学んでいる所を見せて頂いたり、ナミねぇのお話を聞くこと。 ナミねぇと言うのは、プロップステーションを作られた方だが、その人生は半端じゃない。中卒、離婚、震災で家が崩壊……重度脳障害の娘を授かった母「ナミねぇ」。でも、そんな大きなハンディをものともせず、「障害の有無に関わりなく誰もがいきいきと働ける社会」を実現するために、ビル・ゲイツに会い、ペンタゴンに行き、法案を作るまでの生きざまは「スーパーウーマン」という自伝に詳しい。

生徒達は事前にその本を読んで、プロップステーションを訪れた。ナミねぇは笑顔いっぱいに生徒達を迎えてくれた。そして、長い間、いろんな話をしてくれた。 その話や、チャレンジドの方達の姿に触れて、生徒達がどのようなことに深く気付いたかは、この後は、生徒達の感想文で紹介したい。


生徒感想
私は今回このプログラムに参加するまで、障害者の方は可哀相で、何事にも必ず援助がいる、そう思いこんでいました。しかし、竹中さんのお話を聞いたり、チャレンジドの方がパソコンに一生懸命向かっている姿を見てその考えはなくなりました。たとえ障害があってもなくても、どうであっても何かを学んで、何かに打ち込むということが出来るんだということを教えられました。障害があるから社会の役に立たないといって社会から排除してしまうのではなく、竹中さんもおっしゃっていましたが、お互いがお互いの欠点を補い合い、支え合っていくということが、これからの日本の社会にも大切なことだと思いました。これからもこの素晴らしい機会を機に、チャレンジドの方との関わりをより深く考えていきたいと思っています。(中泉明子)

今日プロップステーションで過ごした時間は大変有意義でした。竹中さんはとても若々しく(笑)ステキな考え方の持ち主でした(=^∀^=)出来ない、苦手だということがあるならそのことを得意とする人と支えあってお互いを補えばいい…とても簡単な発想の転換なのになかなかこれを思いつくことが出来てない人が多いと思います。 そしてチャレンジドの人々に遠回しに弱者というレッテルを貼り、同情の目を向けることが本当に彼らにとってよいことなのかも。今はまだ世の中一般にそういう考えが根強く残ってしまっているけど、竹中さんの考えをもっとたくさんの人が知れば(例えば今日行った私達がまた誰かに伝えたり色々方法はある)今日私が考え直したように、その人たちも考え方を変えられるだろぅと思います。 最後に、今はまだまだパソコン下手だから、もしもうちょっと人並みにうまく使えるようになったらボランティアとして教えにいけたりできてもいいなぁと…そんな風にも思いました♪たくさんのことを学んで今日はほんとに楽しかったです!(定井 江梨)

竹中さんのお話の中で、「障害者の人からお金を取ったらいけないっていう考えが差別になる」という言葉がすごく印象に残りました。正直言うと私も今までそう思っていたうちの一人です。でもお話を聞いていて「よく考えると確かに差別になるなぁ」と思い直し反省しました。日本はまだまだ障害者の方に対する偏見や差別が多く残っているので私は少しでも減らせたらいいなといつも思っています。(岡田 梨沙)

チャレンジドの方達とどう接すればいいのだろう…はじめは不安に思う事が沢山ありました。でもそんな不安は竹中(なみねぇ)さんのお話を聞くとすぐに消えました。「私たちがチャレンジドの未知数な能力にふたをしている、そして私達が少し見方を変えるだけでチャレンジドの社会における存在の仕方が変わる」なみねぇさんのお話はとてもわかり易く、このことが深く理解できたと思います。現在の日本のチャレンジドに対する考え方はチャレンジドを働きにくい状況に陥らせてしまっている。そんな現状を打破するなみねぇさんの活動は社会を変える素晴らしい活動だと思います。 実際チャレンジドの皆さんがパソコンを操作されているところを見学させていただきましたが、私達よりはるかに高い技術を持っておられました。そんな方達が社会に出て働くことを拒否されるのはおかしいと強く思いました。私達がチャレンジドの方々と協力することで、社会の発達の手助けができると思います! 明るくて楽しそうなチャレンジドの皆さん、そしてなみねぇさんを見ていると、是非もう一度この場に来て一緒にパソコンを学んだり、活動のお手伝いをしたいと思いました!このような交流の場を作って下さった先生、素晴らしいお話をして下さったなみねぇさん、そして私達の訪問を笑顔で歓迎して下さったチャレンジドの皆さん、本当にありがとうございました!!(河野茉理子)
今までの障害のある方々に対する私の考え方は、『何も自分でできないからかわいそう、不幸』というものでした。でもナミねぇのお話を聞いて、これはタダの決め付けであって、その考え方自体が差別なのかと思い、恥ずかしくなりました。ナミねぇのお話はパワーがあり軽快で、目は輝いていてとても綺麗で説得力があり、聞いていてすごく気持ちのいいお話でした。 パソコンセミナーを見学していると、和やかな雰囲気で、みなさんが『わからん〜』と言いながらも、目をキラキラさせてパソコンに向かっている様子が印象的でした。セミナーの内容は私が想像していたものより難しく、驚き関心しました。これは負けていられないななんて思いました(笑) 障害があるからと言って、社会から排除するのではなく、障害があるから助け合っていくべきだと気が付きました。アメリカなどでは当たり前の考え方だと聞いて驚きましたが、国際的な人間になるには大切な考え方だとも思いました。 私は大学ではボランティア活動もしたいと思っています。その時は、『支えてあげる・助けてあげる』のような、〜してあげるという弱者と考えて接するのではなく『支え合う・助け合う』という考え方で、対等に接したいと思います。ありがとうございました。(永畑 沙奈)

「障害があろうが、眠っている可能性を引き出して、その人が堂々と生きていけるようにするのこそが本当の福祉」 「同情とかかわいそうにとか言う感情もある意味大事だけど、不可能とかマイナスばかりを見ていたらダメ。」 「仮に出来ないことがあっても、すべての人が各自の力を出し合い、無理なところは支えあい(プロップして)生きていけばいい。」
あっという間の2時間だったが、ナミねぇや、前向きに学んでいるチャレンジドの方々から生徒達は多くのことを学んで、プロップステーションを後にした。