卒業生からのメッセージ

ジャズヴォーカリスト
北浪良佳 さん


 みなさん こんにちは!
ジャズヴォーカリストの北浪良佳です。皆さんの中にはジャズにはあまり馴染みが無いなあと感じられる方もたくさん居られると思います。

ジャズはアメリカで生まれ今も進化しつづけている伝統的な音楽スタイルの1つですが、実は日本には毎晩のようにジャズが演奏されているライブハウスが意外に沢山あるのですよ!私はそのライブハウスを中心に演奏活動をしています。

ジャズ自体は最近オシャレなカフェや和食屋さん!なんかでもBGMに流れている事が多く、皆さんも自然とジャズに触れているのではないでしょうか?こんな風に書くといかにもジャズの大ベテランのように感じさせてしまうでしょうが何を隠そう、私とジャズの関係もつい最近までは皆さんと同じような感じでどちらかと言うと、あまり馴染みの無い音楽だったのです!

これまで私はクラシック、ソウル、ポップス、R&B等色んな音楽に接して来ましたが数年前にジャズ・ジャズミュージシャンに出会い、即興(インプロビゼーション)を核に自由自在に音を使って演奏されていくこの音楽の虜になりました。まさに、見つけたっ!!!!!という感じ。

以来、自然体でオリジナリティーがあるジャズシンガーになりたいなあと日々、スタンダードナンバーと呼ばれる曲たちを無我夢中で歌っています。そして2004年には神戸ジャズヴォーカルクイーンコンテストでグランプリを受賞、その副賞としてアメリカのシアトルでライブをする事も出来たんですよ。

それまではオペラ、いわゆる声楽をしていて、お仕事もクラシック、ポップス系が多かったので皆さんに、良くそんな急に転向出来ましたね!?と驚かれる事も多いのですが・・・実はここに松蔭マジックが隠されているのです。私は小さい時から歌手に憧れていましたが、それを他人に初めてカミングアウトしたのはとっても遅くて、何と高2の時でした。突然、当時の私の憧れだったホイットニー・ヒューストンさんのように自由自在に声を使って歌える歌手になりたい!!!と音楽教官室に飛び込んだのでした。

今、考えるとむちゃくちゃな私の話とお世辞にも素晴らしいとは言えない歌を三井先生をはじめ、音楽科の先生方は何度も真剣に聞いてくださいました。そして相談の末、ソウルシンガーになりたいにもかかわらず大阪音楽大学声楽科に進学したのです。その理由は「同じやるなら本物を目指せ!将来どんな音楽をやるにしろクラシックで音楽と発声の基礎を学んでおく事は君の財産になる」とのアドバイスによってです。

本当にその通りです。先生は私が後にジャズを好きになるって知っておられたのかな、と思ってしまうほど今は色んな意味で基本が役に立っていますし、それが私の個性になっています。すこし大袈裟に聞こえるかもしれませんが、歌うたびにいつも、音楽の中で自由を感じるたびにいつも、私は松蔭で人生の大切な希望の種を貰ったんだなあと感謝しています。

学生のみなさん、どうか松蔭でしっかり将来の希望の種をもらって育ててくださいね!
私にとって松蔭での6年間は自分の心に、注意深く、大胆に、まっすぐでいられた大切な時間でした。

最後になりましたが先生方、ありがとうございました。
松蔭ありがとうございました。

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