卒業生からのメッセージ

フランス菓子講師
久我圭子 さん


私は今、大阪長堀にあるフランス料理・製菓教室でフランス菓子の講師をしています。
では、「あなたは、松蔭時代食物部だったのですか?」
・・いいえ、違います。「では、得意科目は家庭科でしたか?」
・・・好きでしたが、成績は軒並み「並」でした。

松蔭で過ごした6年間、私はクラブ活動に夢中でした。在学中は放送委員会に所属し、月〜土まで授業の後はまっすぐ部室へ、そして番組制作。6年間毎日その繰り返し。みっちり「松蔭漬け」の日々でした。

毎日マイク片手に学校中を走り回り、学年問わずいろんな生徒にインタビュー。たまには(いえ、・・・頻繁に。)職員室にもズカズカと入り込み、お仕事中の先生方にも遠慮のかけらもなくマイクを傾ける。「高校生という視点から見た、今しか作れない素直な番組を作りたい。」その思いを胸に、6年間無我夢中で過ごしたように思います。その番組制作の為に校内、校外でいろんな「無茶」「わがまま」をしました。でも松蔭の先生方はいつも、そんな私たちの活動を暖かく見守りっていてくださいました。(もちろん!暖かい?お叱りもたくさん受けました笑)私たちがあれだけ番組制作に没頭し、常に全国で良い成績を残せたのは、そんな先生方、そして、いつも私たちのインタビューに対し、奇想天外な答えをくれる、個性的な生徒の皆様のご協力があったからのように思います。

「松蔭ってどんな学校ですか?」と聞かれた卒業生は、「松蔭は自由な校風の学校です。」と答えるのをよく耳にします。でも、在学中の私は“自由”の意味など考えることもなく、ただ無我夢中に毎日を過ごしていました。でも、今になってようやく、あのころの自由の意味が分かります。そして、今思うと、“自由”の意味が分かっていない私たちの横で、先生方がそっと力を添えてくださっていたように思います。卒業後、私はいろいろな道を経て、今「食」の道を進んでいます。今の私が常に心においていることは、「作り手の見える食卓が、少しでも増えて欲しい。」という思いです。ゆとりのない日常の中で、食の時間はどんどん短縮されていきますが、作ることの大切さ、楽しさ、そして食べることの喜び。食を通じて、生活を見直すいいチャンスを提供できればと思っています。

結局、私は人が大好きなのだと思います。でも、そんな自分がいるのは、中高という大切な時間を、たくさんの同級生、先輩、後輩、先生方・・・。たくさんの貴重な人材に囲まれて過ごせたからだ、そう思います。松蔭は自由だから、人材の宝庫。“無我夢中”に過ごせる時間をくれた松蔭のすべてに、感謝です!

久我圭子さんのホームページ:http://www.yukitsukamoto.com

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